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転職活動(2019年)
目次
2019年は転職というイベントがあった。
どんな感じで転職活動をしたのかを備忘録として残しておこうと思う。
対象読者
主に自分のために残しておいているが、下記のような人に役立つかもしれない。
- ソフトウェアエンジニアとして転職を考えている人
- 今後転職するかもしれないソフトウェアエンジニア
- 各社の採用担当者、あるいはヘッドハンター
採用経路について
サービス経由
前回の転職活動の場合は Wantedlyをメインで使って、そこから繋がったいくつかの会社を訪問した上で転職(就職)先を決めた。そのあたりは下記の記事にまとめてある。
今回使ったのは主にスカウト型のサービスがメイン。転職市場におけるエンジニアは未だ売り手市場。スカウト系のサービスに登録しておくだけで、ありがたいことに黙っていても捌ききれないくらいスカウトメッセージが頂ける(もちろんある程度以上にWebにアウトプットがあることが前提)。
なのでスタンスとしては転職意欲有無にかかわらずスカウト系のサービスには登録しておき、面白そうな会社や興味のある会社からスカウトメッセージを頂ければ話を聞きに行くという方針にしていた。
時間が無限にあれば、全ての面白そうな会社に実際に足を運んで話を聞いてみたい気持ちはあったものの、残念ながら時間は有限なのでハードルは高めに設定して本当に興味のある会社だけに絞って話を聞きに行っていた。
具体的にどんなサービスを使ったかというと下記の通り。
※本転職活動時に使用したサービスは★を付けている。
- ★ Findy
- GitHub スキル偏差値 確認のために登録したのがきっかけ
- 知らない面白い企業との出会いが多かった印象
- 軽い気持ちで登録したらたくさんスカウトが来すぎて対応に手が回らなくなったので、途中でスカウト機能は切った
- 「スキル偏差値」「あなたの想定年収」「獲得した称号」など知りたくなるものが多く、バイラルさせる機能作りが上手なサービスという印象
- 登録して #findy ハッシュタグとかで他のエンジニアと比較するだけでも面白さあるかも
👇こんな感じで称号とかGETできて面白さがある
- LAPRAS
- 求職者側としては自分のActivity Logを眺めるだけでも、レジュメ作成の参考になりそう
- Tagsによるスコアリングで自分の得意領域を見る
- Activity Logで開発者としてどんな活動をしているか振り返る
- LAPRAS SCOREで相対的な評価を確認する
- (採用側として試用した経験から)採用側からみてもTagsのスコアはよくできてると思う
- 登録している企業が少ないのか面白い企業との出会いは少なかった印象
- 個人的には良いサービスだと思っているのでもっと多くの企業が使ってもいいかもなーと思っているが、成果報酬型ではなく月額課金型なのが小さい企業にとっての導入の敷居を上げているのかもしれない
- 求職者側としては自分のActivity Logを眺めるだけでも、レジュメ作成の参考になりそう
👇LAPRASのスコアリング
- 転職ドラフト
- 自らの市場価値の見極めを目的として登録
- サービスのわりと初期から登録して定期的にちょこちょこ使っていた
- スカウトする企業側にとってみると実際に会ったことのない人に高額のスカウト送るのはなかなか勇気がいるアクション
- そんな中でも高いスカウトを出している企業は事業がノリノリで調子良さそうだとか、エンジニアの給与水準が良さそうとかいろいろ想像できたりできる
- 僕に比較的高額のオファー出してくれた企業にはほぼ会いに行って話を聞くようにしていた
- 過去に書いた関連記事: 年収の透明化(『その「エンジニア採用」が不幸を生む』を読んだ)
ダイレクトメッセージ経由
採用担当者、ヘッドハンターからのダイレクトメール。こちらから直接企業の担当者に連絡したダイレクトメッセージも含む。
本転職活動時に使用した経路には★を付けている。
- ★ Email
- ほぼ毎日チェックするので、知らない人(採用担当者、ヘッドハンター)から連絡もらうのはEメールが個人的に一番嬉しい
- 基本は返信しないスタイルだったけど、たまーに気が向いたときに返信する
- (@担当者さん 返信しないけどきちんと見てます!お返事できずすみません>< )
- 基本は返信しないスタイルだったけど、たまーに気が向いたときに返信する
- Eメールは埋もれがちなので本格的に密に連絡取り合うなら、工夫して使ったほうが良さそうという学び
- ほぼ毎日チェックするので、知らない人(採用担当者、ヘッドハンター)から連絡もらうのはEメールが個人的に一番嬉しい
- ★ Twitter
- 自分から直接企業の採用担当者に連絡するときに使った
- 既にTwitter上で繋がってる人はTwitter経由で連絡いただけて実際に数回会った
- Twitterで既に繋がってる人と合うのは心理的障壁が低いし安心感があった
- Facebook
- Twitterと同様、既に繋がってる人との連絡チャンネルとして利用しているので、何回か繋がっていない人から連絡はいただけたけど基本はスルー
- エンジニア的には Twitter のほうが親和性の高いSNSなように感じる
- Linkedin
- Linkdin は海外のリクルーターとのやり取りでは有用だが日本語圏だと殆ど使われないので今回はスルー(謎の海外リクルーターから謎のメッセージはしばしば来たりする)
- 海外就労を考えてる人であればちゃんとプロフィールは運用したほうが良い
- 手紙
通称・首狩り族からの手紙- 数年前に一度だけ貰ったことがある
- あまりもらわないので逆に目を引いたので、飛び道具的には便利かも
経歴書・レジュメ
企業に提出した経歴書について。フォーマットに関しては海外就労のときに使った レジュメ形式 を採用した。
海外形式のレジュメとは、大体A4一枚程度まとめた経歴書・スキルのハイライトだ。この形式のメリットとしては、求職者にとっては紙幅が限られている中で書く必要があるので、自分のアピールポイントにフォーカスしなければならなくなる点。そして経歴・スキルの紹介が冗長な表現でなく、洗練された簡潔な表現になる点。
採用側にとっても一枚くらいにまとまっていると書類選考時に判断しやすいし、面接時も質問しやすい(A45枚くらいの経歴書送られて来ても見るの大変だし、5年前の経歴とか聞いても仕方ないよね的な)。
最初はこの経歴をWeb上にオープンにしようと思ったが、案件詳細などオープンにできない項目もあるので、publicに公開するのはやめた。時間があれば限られた人だけが見れるようなポートフォリオサイトを作ろうと思ったが、今回はそんな時間はなかったのでsecret gist に markdownで期間限定closed公開した(つまりURLを知っている人だけが見れる)。
こうすることで各企業の担当者にはテキストでURLだけお伝えすればよくなるので便利だった。Wordとかで書いてPDFとかにして送付とかはダルすぎる。
レジュメを公開する
今回僕はレジュメを公開しなかったけど、公開できる内容だけを書いてGitHub上にオープンにするのもアリだと思う。
レジュメの内容
具体的にレジュメに盛り込んだ内容としては下記のようなイメージ。
## 略歴
経歴のサマリ(大学卒業〜現職に至るまでの略歴を300字くらいで書いた)
## スキル
自分のスキルの列挙(プログラミング言語、Webフレームワーク、データベース、IaaS/SasSとかの項目別に列挙した)
## 職務経歴
### 経歴1(2018-2019)
- 経歴の説明
### 経歴2(2017-2018)
- 経歴の説明
(...経歴が続く。5年以上前の古い経歴に関してはアピールしたい経歴だけを記述)
## OSSコントリビュート
- gemのリンクとか, npmのリンクとかどのOSSにコントリビュートしたかとかアピールしたいOSSアウトプットを列挙
## 登壇歴
https://speakerdeck.com/toshimaru
略歴、スキル、職務経歴とかはよくあるやつ。それらに加えてアピールしたいアウトプットとして「OSSコントリビュート」「登壇歴」の項目を追加した。
日本の履歴書という悪習
余談だが、どこの企業も大体履歴書を求められたわけだけど、日本の伝統的履歴書フォーマットは早く変えて欲しいと思う。年齢とか性別とかで採用不採用を決めるのは基本NGなので、アメリカのように違法にして履歴書には記述させないようにしてほしい。
via. 日本VSアメリカ:履歴書の違い編 | アメリカ留学UKIの節約生活
下記も参考までに:
面接
- あまりガチガチな技術質問はされなかった
- 逆にいうとGitHubとかである程度アウトプットしてるのでそれをもって技術力は大丈夫だと判断していただけたようだ
- オープンなアウトプットみて評価していただけるのありがたいし、普段からみんなオープンなアウトプットはしておこう
- もう少し技術的なハードな質問が来るだろうと身構えていたので、それがなかったのはちょっとだけ寂しかった
- その代わりにカルチャーマッチはきちんと面談・面接時に見られていたと思う
- 逆にいうとGitHubとかである程度アウトプットしてるのでそれをもって技術力は大丈夫だと判断していただけたようだ
- 僕側から見たのはやりたいことができるか、事業・サービスへ共感できるかや成長性があるかなどに加えて、安定性・福利厚生なども見た
- 独り身だったときは自分本位で思考していたが、家族ができると家族を養う義務感・責任も出てきてそうも言ってられないので、割と安定志向な要素(待遇、安定性、福利厚生)も見た
- 例えば<スタートアップ入って一発当てる>的なリスクは取りにくくなったように感じている
- 実際どのへん見て決めたかは以前のエントリにも書いた: メドピア株式会社で働いてます
- 独り身だったときは自分本位で思考していたが、家族ができると家族を養う義務感・責任も出てきてそうも言ってられないので、割と安定志向な要素(待遇、安定性、福利厚生)も見た
外資系(GAFAM)について
一点、転職活動をする中での後悔があるとすれば、それはGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)などの外資系を受けなかったことだ。
外資系は多くのポジションでコンピュータサイエンスの知識を必須スキルとしており(僕は文系なのでそのへんは弱い)、また日系企業のようにカジュアルに話を聞きに行けるエントリーポイントも用意されていないことが多く、そもそも自分にマッチしたポジションがあるかどうかが不明で積極的に受けに行かなかった。
しかし、きちんと探せばマッチするポジションもあったかもしれないので、外資系の選考フローを体験するという意味でもちゃんと探しておけばよかったと思っている。
(GAFAM に入社している人ってどうやってポジションマッチ見極めているのだろう… いきなりバシッと面接入るのかな…)
企業とのコミュニケーション
企業とやり取りしてて、コミュニケーションですれ違う場面が数回あって、求職者・採用担当者ともにコミュニケーションには気をつけるべきだと思う。
人事リセット問題に代表されるように、ミスコミュニケーションとしては下記のような場合だ。
- カジュアル面談のつもりでいったら企業側の担当者が面接のつもりで出てきた
- あるいはカジュアル面談のはずなのに面接された
- カジュアル面談のあとに選考ステップ進むとは言ってないのに、一次面接の日程案内を飛ばしてきた
- 企業側の担当者との連絡が途絶える
- あるいは一つ一つの連絡のレスポンスが遅い
- 企業側の申し送り事項の伝達不足
- 「(それは既に前回の選考ステップで伝えたんだが? もう一回聞く?)」みたいなケース
僕自身は採用にも関わったことのある人間なので、採用担当と面談・面接担当者との伝達漏れが発生するのはある程度想像・理解できるので上記のようなことが発生してもそんな気にしなかったけど、そうじゃない人であればけっこうイメージが悪いと思う(各社の採用担当者は気を付けて欲しい)。
僕は若かりし頃にヘッドハンターに誘われるまま面談だと思ってノコノコ会社に着いていったらガチガチの人生最強クラスの圧迫面接された経験があるので、それがトラウマになっていることもあって企業担当者との期待値すり合わせはわりと丁寧にやっている方だと思う。
求職者側の自衛として、ある程度気を付けて企業担当者とコミュニケーションを取るに越したことはないと思う(本来は企業側の担当者がしっかりせぇという話)。
おすすめ企業
せっかくなので今回の転職活動をしつつオススメ企業なんかを書いてみる。
- メドピア
- 現職
- 以前のエントリに書いたとおり
- Gunosy
- 前職
- 数値/KPIをきちんと追う文化
- 若い人・新卒が優秀
- 機械学習やデータ分析が強い
- SmartHR
- 体験入社でファンになった会社
- 現職でSmartHR使っているけど良いプロダクト
- オープンな社風が素敵
- LayerX
- 元・Gunosy福島さんがMBO
- 初期のGunosyを彷彿とさせる技術者集団
- ブロックチェーンに可能性を感じる人には最高そう
- 福島さんのnoteは必読
- マチマチ
- @ikumaさんの地域活性化のヴィジョンや組織づくりの方針には共感
- Kyash
- 直接話を聞きに行ったわけではないが、世に存在するなんちゃらPayシリーズと比べて一番決済体験が良いので個人的に応援しているサービス
- 「ビッグデータでAI!大規模システム!大量アクセス!マイクロサービス!」やりたいって人
- そもそもビッグデータや大量アクセスがある企業が少ないので、特に具体的な企業名は上げないけど誰でも知ってるような名の通っているサービス作っている会社に行くといいんじゃないでしょうか
- AI周りでは先進的な企業をちょこちょこ見かけたけど僕には良し悪しが判断付かなかったので正直わからない
- メガベンチャーとかはたくさん選択肢あるし、優秀な人も多く在籍しているだろうし狙い目かもしれない
- そもそもビッグデータや大量アクセスがある企業が少ないので、特に具体的な企業名は上げないけど誰でも知ってるような名の通っているサービス作っている会社に行くといいんじゃないでしょうか