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「アラサーエンジニアの生存戦略」を発表しました

リードエンジニアから学ぶMedPeerのプロダクト開発という僕が所属する企業のイベントで、「アラサーエンジニアの生存戦略」というタイトルで発表しました。

発表の経緯

もともとの発表の着想となったエントリはこちらになります。

技術者としてスポンジであり続けること あるいは老害回避戦略の話

エンジニアリングとは常に学習し続けることである。

思うに、コードを書かず学習意欲を失ってしまった35歳のおじさんたちが自分がコードが書けないこと・学ばないことの言い訳として言い出し始めたのがこの「35歳定年説」の真実じゃないだろうか。

この文章は僕自身が若手とは言えない年齢となり今後シニアな立場へとなっていく中で「自分は老害化していくのではないか」という危機感から自戒も込めて書いたものである。願わくば五年後十年後自分がここに書いたような老害になっていないことを祈る。

この記事のトピックとしては、「エンジニアの学習」「老害にならないためのマインド」になります。

これらのトピックに「キャリア論」を加えて、「エンジニアにとってのキャリア戦略」みたいな話はどこかでまとめてみたいなー、という思いがありました。

そんな中、僕の所属する企業から「会社ミートアップを開催するので、シニアエンジニア向けのネタで登壇してくれないか?」という話が舞い込んできたので、今回の発表に至ったという感じです。

また、僕自身がアラサーといえる世代ではなくなってきて(35歳に接近してきていて)自分の今の考えをスナップショットとして残しておきたかったという思いもあります。この発表内容がアラフォーになっても通じるものかは今後自分自身の身を持って検証していきたいと思っています。

正直、この手のキャリア論みたいなものはおっさんの成功体験語りみたいなものになりがちな気がしていて(それこそ老害トークですね)、そうはならないように気をつけたつもりです。

なのでスライド中にも書いた通り、歩むキャリアに「正解はない」というスタンスですし、最終的に「自分の道は自分で決める」というスタンスです。安易な正解はないとした上で、確固たる軸は確立しておきましょうねという話です。

発表のメインメッセージ

今回の発表のメインメッセージとしては要約すると下記の通りです。

  • 技術の判断軸(審美眼)を持ち、継続的に学習しましょう
  • 自身の仕事の価値観(仕事観)を明確にし、成長できるキャリアを歩みましょう
  • 成長のためにチャレンジし続けよう

審美眼という言葉は twada さんからお借りいたしました。詳しくはスライドと合わせて下記Podcastを聴いてみるとよいかと思います。

お前の場合どうなのよ?

おっさんの成功体験語りにならないようにあえて自分の話は発表内には多くは入れませんでした。ただ本発表に至る原体験としては僕自身の20代の経験が元になっていることは間違いありません。

全能感

これとかまさに20代中盤くらいの僕です。

若手時代は黙ってても成長してきました。時期的には丁度新卒3~5年くらいですかね。そりゃそうだ、知らないことしかない。ただ目の前の技術を追いかけるだけで十分成長してきた。ある程度成長実感を得た、さぁどうする? 周囲を見渡す、そこにはさらに広い世界があった。自分の小ささを実感する、20代後半。

憂鬱

そんなときに僕がとったチャレンジが「マネージャーへの挑戦」でした。単に技術者としてやっているだけじゃ成長に陰りが出てきた。<非連続的な成長>へとつながるNext Dotがマネージャーへの挑戦だったわけです。実際振り返ってみると、これは僕にとっての大きな成長へとつながったと実感しています。

チャレンジする

(一方で、この手のチャレンジは誰しもが即座にできるわけでなくタイミング・運も重要なので、そういう意味で僕は運が良かったと思っています)

ロールモデルになっている人たち

発表内ではバイネームで言及しなかったものの、いくつかロールモデルになっている人たちを補足します1

35歳定年説とか関係なさそうな人

  • Miyagawa さん
    • Rebuild.fmのホストの方
    • 昔からPerl Hackerとして有名で、現Fastly勤務、アメリカ在住
  • kazuho さん
  • mattn さん
    • OSSの世界で大活躍している方
    • 本当に幅広くOSSコントリビュートされていてすごいなぁと尊敬します
  • Guido van Rossum
    • Python の作者。GoogleからDropboxに転職
    • 引退に至る最後の最後までエンジニアリングし続けた人。カッコイイ!
      • While mypy was one of the projects Guido spent a lot of his time on, he also cared deeply about making engineering culture, both at Dropbox and in the Python community, more inclusive for women.

      • Thank you, Guido | Dropbox Blog
  • 登大遊さん

楽しんで技術学習している人

「継続的学習において楽しむことは重要だ」と発表しましたが、楽しんで学習を継続してる方で参考にしたい方でいうと下記です。

「エンジニア35歳定年説」の嘘

上記に紹介させていただいた方々はほんのごく一部ですが、そんな方々を見ていて「もう35歳だしコードは書けないわぁ」とか「新しいこと学習できなくなってきたわぁ」とか言ってられないのは明白ですね。

定年説

アラフォー、アラフィフに向けて

一方で「生涯コードを書き続ける」ことだけが正解だとは思っていなくて、Linux作者のリーナス・トーバルズやRuby作者のMatzのように優しい終身の独裁者として存在を確立している人もいます。彼らは今でこそ最前線でコードは書いてはいませんが、コミュニティにとって重要な存在であることは言うまでもないでしょう。

またエンジニアキャリアパスの上を目指す人は技術以外の知識を深める必要が出てくるでしょう。具体的には組織運営の手法であったり経営に関する知識であったりします。アラフォー、アラフィフに向けてジョブグレードを高めていきたい人にとってはより多角的な知識・経験が求められるようになっていく気がしています。

今回の発表は僕自身がアラサーだったのでターゲットとしてもアラサー世代になりましたが、アラフォー世代にも通じるところが多くあるとは考えているので2(アラフィフ世代に通じるかは自信がないですが)、今後僕がアラフォー世代になったときに本発表内容がどれだけ通じるのかは僕自身検証していきたいと思っています。

雑キャリアパス

アンサーソング

元同僚が良いツッコミを書いてくれました。

アラサー終盤エンジニアの生存戦略|いまがわ|note

しかしこうした「成長」を最も重視したキャリアのモデルはアラサーエンジニア全般に適したものでは無い。

要するにとしまるさんの発表はエンジニアの「成長戦略」であって「生存戦略」ではないと言いたかった

指摘としてはもっともで、発表タイトルとしては<生存戦略>というキャッチーな言葉をあえて選びましたが、正しくタイトルを付けると<成長戦略>であり、もっと言うなら「アラサーエンジニアの成長のためのキャリア戦略」と言うべきものでしょう。

本発表は「成長したいと思っているエンジニア」を暗黙的なターゲットとしており、「別に成長とかどうでもいいし〜」みたいな人にはあまり響かない・刺さらないかもしれません。一方、そんな人にも共通して言えることがあって、それが「キャリアの軸・仕事観は持っておく」ということです。

ぶれない軸

それさえハッキリしていれば特に僕から言うこともないし、迷うこともないと思うんですよね。

例えば「俺は何より金が重要じゃ!」って人はお賃金だけを指標として持ってキャリアを選択していけばいいし、「この事業にフルコミットしたいんじゃ!他の要素はどうでもええ!」って人は自分の目先の成長ではなくフルコミットしたい事業成長に全力を注ぐべきだと思います(えてしてそれが自分の成長にも結果的につながるケースが多い)。むしろそちらのほうが変に<成長>に束縛されず楽しく生きていけそうで健全とさえ感じます。

発表内のメッセージとしては「エンジニア業界で長く生存し続けられるのは最後まで学習しつづけるヤツだ」という意識高い系メッセージでしたが、そもそも成長しなくともある程度技術力があればしばらくやっていけると正直思いますし、「成長しないキャリアを選択した」のであればそれはそれで全く否定すべきものではないでしょう。

最終的にやっぱり一番大事なのは「自分の道は自分で決める」、これに尽きると思います。

自分の道は自分で決める

発表を終えての感想

  • 今回はエモめ成分多めの発表だったので Keynote を使ってスライドを作成しました
    • 図・絵を自由に入れられたり、レイアウトを柔軟に変えたりできるのは良い(markdown のみで作ったスライドだとこうもいきません)
  • 画像素材は pixabay を使わせていただきました
    • プレゼン内で画像素材を適切に使うことで、オーディエンスに内容をよりイメージさせやすくすることができます
  • リモート発表は銀座Railsの前回に引き続き二回目だったのですんなりできました
    • やっぱりオーディエンスの顔が見れないとか、反応ないとかは悲しいけど、これがIT系勉強会のニューノーマルだと思って落ち着くまではこのスタイルを続けたいと思います
  1. ここではあくまで知名度のある人だけ書きます。ですが有名であることがロールモデルになる人の必要条件というわけではありません。 

  2. 実際、はてブコメントを観ていると「アラサーより上の世代だけどわかる」というコメントが寄せられていました。 

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